雛人形のお着物(衣装)の種類について
日本伝統の着物
着物の歴史は古く
様々な色・素材があります
雛人形の衣装の「生地」について知る
素材は大きく分けて、3つあります。
・木綿(天然の綿を糸にして編んだもの)
・化学繊維(人工的に作った糸を編んだもの)
・正絹(シルクのこと。蚕(虫)が作る繭を構成する糸を使って編んだもの)
雛人形には「着心地」は必要ありませんので、木綿(もめん・コットン)は使いません。
それよりも、煌びやかであることが必要です。
木綿素材は、光沢が出づらいです。
色を出すには、白い生地に「プリント」することになります。
もし、木綿で雛人形をカラフルにするとなれば、塗装をすることで、色を出すことになります。
もちろん、伝統技法をフル活用すれば可能ですが、
それでは本物の着物を買うような値段になってしまいます。
化学繊維は、糸の太さを自由に変化させれます。
また糸に染色した時、しっかりと色を出しやすいです。
さらに、光沢を持った糸を作るのも自由にできます。
そこで、雛人形の衣装に優しく使いやすいです。
さらに化学繊維は、虫食いやカビになりづらいため、長く使いやすいです。
正絹(シルク)は、天然素材ですが、
化学繊維以上の「光沢」と「繊細さ」を持つ素材になります。
非常に細い糸で仕上げることができ、見た目の輝きもしっかりと出ます。
煌びやかな、雛人形にはピッタリの素材です。
ただし、保管には少しだけ気を使う必要があります。
湿気のない晴れた日に片付けたり、お子様が触った汚れなどを拭き取って保管するなどの注意が必要になります。
まとめると、衣装の素材は
・化学繊維
・正絹(100%蚕の糸で作られたシルク)
の2つから選ぶことになります。
現代のテクノロジーの進歩のおかげで、
「化学繊維」と「正絹」の違いは、少なくなっています。
どちらも、綺麗なお衣装として見えます。
職人や着物に詳しい人以外は、わからないかもしれません。
特に「触ってみないと」わからないレベルです。
素材と価格の差、流通量について
化学繊維と正絹の雛人形の流通比率は、
9:1 あるいは、もっと正絹が少ないかもしれません。
正絹は非常に高価な素材のため、雛人形に使った場合、
「二人飾り」でも、20万円以上になります。
刺繍や、様々な仕立てを施すと、さらに価格が上がります。
以下を見比べてもらうと、わかりやすいです。
化学繊維は、価値が低いのか?
正絹(シルク)は、取り扱いにも注意が必要で、高価になりすぎます。
「ひなせい」では、特にこだわりがなければ、「化学繊維を選んでもらっても、全く問題ない」と考えています。
正絹は、高価なだけあって「艶(つや)」や「発色」が違います。
とはいえ、目が肥えた人ではないと、気づきづらいです。
もし、着物に詳しいのであれば、気になるかもしれません。
その場合は、正絹にこだわって良いかもしれません。
また正絹は「カビ」や「汚れ」に敏感です。保管前には、油汚れなどを清掃する必要があります。
子供たちに触らさないようにするなどの対策も必要でしょう。
一方、化学繊維は「丈夫」「リーズナブル」「光沢も艶やか」「子供が触っても大丈夫」です。
私たちは、「子供たちが、手にとって眺めたりして良い」と考えています。
そのほうが愛着も湧きます。
子供に安心して触らせるなら、「化学繊維」がお勧めです。
コラム
こだわりポイントを使い分けよう
化学繊維を使ったものを選んでいただけると、
正絹よりも低い予算でも
「明らかにみた感じで違いが出る刺繍が入ったもの」を選んでいただけます。
職人視点だと「正絹」が正統派のように見えますが、お客さま目線からすれば「化学繊維」に、
刺繍などの細工を施したものを選ぶ方が満足度が高いと思っています。
正絹の雛人形一覧
商品を見る化繊の雛人形一覧
商品を見る着物の装飾について、知識を深めよう
着物は、奥が深い世界です。
雛人形のお着物も、さまざま加工方法、装飾、模様の出し方があり、価値が大きく差があります。
まずは、どんな種類があるのか?を知ることから始めてください。
全体の雰囲気から、「いいな」と思った雛人形の「詳細」を見ていただくと、衣装の種類が書いてあります。
衣装の種類が見えてくると、
「ああ、なるほど。こっちの方がちょっと価格が高いのは、そういうことかー」と納得できるようになります。
コラム
一つの雛人形に「複数の加工方法」が採用されています
ひな人形の着物の上着2枚は特別です。
この2枚に対して「さまざまな加工」を行います。
例えば、上1枚目に「ぼかし染め」と「友禅」を組み合わせ、
2枚目には「金蘭」で模様を作ることもあります。
以下の技法(加工方法)を知っておくと、雛人形を見る目が変わります。
細かな違いに気づけるようになるので、是非、ご一読ください。
ぼかし染めとは?
一昔前は、「単色」の着物が好まれていました。
近年の傾向は、「ぼかし染め」と呼ばれるグラデーションがかかった色使いが人気です。
見た目にも華やかで、モダンに見える特徴があります。
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ぼかし染めの雛人形一覧
商品を見る金襴とは?
元々(江戸時代以前ぐらい古い時代)は、金糸を混ぜて編み込んだ生地のことですが、
今では、「縦糸、横糸」を使って模様を編み込む技法です。
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金襴ではない模様の出し方には、「友禅」「刺繍」「プリント」などがあります。
友禅、刺繍は以下で説明しています。
プリントは、以下の写真のように「生地にプリントで塗装」したものです。
プリントTシャツなどと同じ技法になります。
プリントしたものは、経年劣化でボロボロになって剥がれたりします。
何年も使う雛人形に使うことは避けたほうが良いです。
「ひなせい」では、プリントのものは取り扱っておりません。
友禅とは?
京友禅、加賀友禅などで有名な「染め方」です。
作り方は、染料を使って生地に「花鳥風月」や「草花」を鮮やかに描くことです。
布につけた染料が、滲んだりしないように糊(のり)で縁取ったりするなど、
手間暇がかかりますが、鮮やかな仕上がりになります。
最近は、「ぼかし染め」に「友禅染(絵を描く)」を組み合わせたものが好まれています。
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ぼかし染め&友禅の雛人形
商品を見る正絹の友禅は、非常にきれいです。
正絹がとても糸が細いため、美しい仕上がりになります。
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刺繍とは?
金襴では、表現しきれない
「たくさんの色」や「複雑な模様、色使い」を施す時に「刺繍」を使います。
特徴は、立体感があって「色鮮やか」なことです。
立体感がありますので、雰囲気が変わります。
豪華、おしゃれにに感じます。
いろんな金襴や刺繍を見比べたり、刺繍と友禅を見比べることをお勧めします。
刺繍
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友禅
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金彩(きんさい)とは?
金泥(きんでい)と呼ばれる染料を使って、筆で模様を描いた加工のことです。
雛人形の衣装に使うことで、シンプルだけど、豪華に見せることができます。
金彩が使われていると、少しずつ価格がアップしますが、きれいさ、優美さもアップします。
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金駒(きんこま)とは?
金糸を「こまぬい」して、模様をつけたものです。
系をさまざまな形、模様にして、それを縫い付ける技法を「駒縫い」といいます。
金糸を縫い付ける場合、「金駒」と呼んでいます。
金駒は、立体感のある模様が浮き出るので、豪華に見えます。
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金彩&金駒の雛人形
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